2021年CPUシェア率の推移レポート@ヨーロッパ
2020年は完全にAMDの時代でしたが2021年はIntelの安売りによって何とか持ちこたえたようですね。Alder Lakeで王者奪還なるか!?
Alder Lakeのおかげでシェア率復活
@Ingebor氏がRedditで共有したレポートを見ると、AMDがZen2およびZen3を発売して以来Intelは10~20%前後のシェア率をずっと推移していましたが、先月ようやく30%まで回復することができました。
理由としてはAlder Lakeの発売はもちろんのこと、10世代(Comet Lake)と11世代(Rocket Lake)を限界まで割引したからこそ今年最高のシェア率まで市場を取り戻すことができたのです。
ただしDDR5メモリの供給量が大きく不足しておりAlder Lakeにアップグレードしたい消費者を待たせています。
デスクトップCPUの売上チャート
グラフが分かりにくいと思うので以下に表にしました。
売上数 | AMD | Intel |
---|---|---|
2020年9月 | 82% | 18% |
10月 | 79% | 21% |
11月 | 84% Zen3発売 |
16% |
12月 | 83% | 17% |
2021年1月 | 81% | 19% |
2月 | 77% | 23% 小幅値下げ |
3月 | 80% | 20% Rocket発売 |
4月 | 78% | 22% |
5月 | 85% | 15% |
6月 | 81% | 19% |
7月 | 75% | 25% 大幅値下げ |
8月 | 82% | 18% |
9月 | 82% | 18% |
10月 | 77% | 23% |
11月 | 70% | 30% Alder発売 |
ドイツの最大手ショップ売上レポートを見るとAMD Ryzenシリーズは一年を通してデスクトップCPU売上の70%以上を安定的に保っています。
その中でもRyzen 5 5600XとRyzen 7 5800Xは最も人気のあるCPUでありRyzen 9 5900XですらIntel CPUのどの製品よりも高いシェア率を持っていました。
一方IntelはAlder Lakeの発売でようやく復活しましたが、それまでのひどい売上のことを思えばIntelにとってシェア率を奪えた勝利と言えます。Intel製品ではCore i5 12600KとCore i7 12700Kが人気商品であるようです。
2021年11月のCPU売上率
11月の売上を分割したグラフではAMD CPUが多く500万ユーロ以上の売上をもたらしました。そしてIntel CPUは26%を獲得して200万ユーロの売上になります。
Alder Lakeの登場でRyzen 9 9590Xは5%のポジションを失いましたが、それ以上にIntelは自社製品を共食いしてしまいCore i5 10400は-8%、Core i5 11400は-7%失っています。
ちなみにZen2であるRyzen 7 3800Xはさまざまな販売店で250~300ドルの大幅な値下げを行ったため6%ポジションを回復しました。
メーカーごとにシェア率を見る
Intel製品だけで見た場合はAlder Lakeが販売量の37%を占めており、Rocket Lakeが34%、Comet Lakeが28%と続いています。
AMDの場合はデスクトップCPU売上の68%をVermeer(Zen3 CPU)が占めており、続いてCezanne(Zen3 APU)が15%、Matisee(Zen2 CPU)が14%と続いています。
2021年11月だけで見ると間違いなくIntel側が改善していますがまだまだ長い道のりがあります。DDR5メモリの有用性を向上させること、B660およびH610を搭載した割安なマザーボードを用意することが売上につながるでしょう。
一方、AMDは来年初めにIntelから市場を取り戻す準備ができています。