ロシア製CPUは性能が低すぎて国民が困っています

Intel

ロシア製CPUは性能が低すぎて国民が困っています

ロシアは以前からCPU開発していますがIntelやAMDには到底及ばない性能です。あまりの性能の低さに銀行の融資も受けられなくなってしまいました。

ロシア製CPUは受け入れられない

ロシア最大の銀行であるロシア連邦貯蓄銀行のテクノロジー部門は自国製CPU"Elbrus-8C"のテストを行った結果、最低の評価を下しました。

『不十分なメモリ容量、遅いメモリ速度、少ないコア数、そして低周波数。主要な機能がすべて満たされていない。』

ただしエンジニアによると希望はあるようです。

自国でハードウェアを作る理由

クリミアの街並み:Kara Dag Mountain

2014年にクリミアと合併しましたが他国はこれを認めず、今も周辺国との緊張が高まっています。近い将来に戦争が起こるかもしれないと噂されるほどです。

アメリカやヨーロッパで開発されたハードウェアやソフトウェアをなるべく使わせたくない政府は、テクノロジー関係をすべて自国開発に置き換えると公に発表しました。

AMDやIntelが開発したCPUではなく、独自のアーキテクチャに基づく自国製"Elbrus-8C"を使わなければならないことを意味しています。

2021年現在、ロシア政府機関や政府が管理する企業は自国製のシステムを採用していますが、常にクリティカルなスペックを要求するサーバー分野においては誰も採用していません

Intelを使いたいです…

Elbus-8Cを採用したサーバーはIntel Xeonシステムと比較して非常に弱く、すべての面において劣っているためテクノロジーに詳しい人ほど頭を抱えてしまいます。

スペック Elbus-8C Xeon Gold 6230
クロック周波数 1.3GHz 2.1-3.9GHz
コア/スレッド 8/8 20/40
プロセス 28nm 14nm
TDP 70W 125W
メモリー DDR3-1600
4チャネル
DDR4-2933
6チャネル
メモリ容量 256MB 最大1TB

私たちに与えられたサーバーは欠点と欠点、そして多くの欠点がありますがこれらを使わなければなりません。

実アプリの処理速度比較

4-Way Elbusと2-Way Xeonの比較
SPEC CPU 2017 2.6~3.2倍遅い
PGbench
PostreSQL
1.7~3.3倍遅い
Java 23~26倍遅い

SPEC CPU 2017テストでは約3倍遅い結果ですが、エンジニア達が予想していたほど悪くはないようです。そしてPGbench/PostreSQLテストではElbusとXeonはそこまでの差は出ていません。

一方Java性能は著しく遅く応答時間が30倍にもなると、さすがにサービス品質を維持できる要件を満たしていません。

しかしまだ諦めてはいないようです。競争力がないハードウェア性能についてはどうしようもないですがソフトウェアを最適化することでパフォーマンスが多少改善するはずです。

業界標準はほど遠い
Elbrus-8C

Elbus-8Cの性能は桁違いに遅くなると予想はしていましたが、商用企業にとって2~3倍のパフォーマンスの違いですら導入しない十分な理由になります。

現時点では『No!』を突きつけていますがまもなく"Elbus-8CB"が登場します。新しいアーキテクチャと改善されたメモリによって高いパフォーマンスを約束すると同社は述べていますが…。

AMDやIntelのCPUはワットパフォーマンスで見ても桁違いに高速で効率的です。ロシア国内や中国で製造されたCPUがこれら主要CPUに追い付けるかは疑問を投げかけます。

外国の技術を使用させないために、ロシア政府は国内のCPU開発をサポートする補助金を支払うことになるだろうとテクノロジー関係者は見ています。