TSMC 3nmの利用コストが重い…CPUグラボは更なる価格上昇へ
NVIDIA, AMD, Intelなど大手チップメーカーが提携しているTSMC。次世代に当たる3nmウェーハはさらにコストが重くのしかかりCPUやグラボ価格が引き上げられるかもしれません。
プロセスの細分化が進むにつれて技術力の無い企業が振り落とされ現在はTSMCがトップを独走しております。歩留まりが20%未満のSAMSUNGはもはや相手にならず競合他社がいません。
消費者としては価格競争が起きてほしいところですが今の絶好調TSMCはまだまだ続くと予想されます。なんとも厳しい時代到来…。
5nm比で25%価格上昇
DigiTimesのレポートによるとTSMCの3nmウェーハは利用価格がさらに上昇し、次世代CPUやグラフィックボード価格に影響を与えると予想しています。
TSMCはチップ製造分野で圧倒的優位ポジションに立っており3nmプロセスではいまだ競争相手がいません。そのためTSMCは価格を大幅に引き上げる予定とのことです。
7nm(10,000ドル) → 5nm(16,000ドル) → 3nm(20,000ドル予想)
NVIDIA, AMD, Intelの各社対応
NVIDIAの対応
NVIDIAは単純にグラフィックボード価格にコストを上乗せしました。現在販売されているGeForce RTX 4090および4080の価格を調べると一目瞭然です。
RTX 4090は旧世代RTX3090と比較して10~15%の価格上昇に収まっていますが、最も酷いのは旧世代より50%以上値上がりしたRTX 4080でしょう。
AMDの対応
それに対してAMDはチップレット構造を活用しそれぞれ異なるノードを混在させることで価格を相殺することに成功しました。ライバルに対してコスパで勝負を挑むようです。
これはCPUとグラフィックボードどちらにも当てはまり5nmと6nm両方の技術を活用したチップレットが利用されます。もちろんモノリシックダイに関するコストも削減成功。
Intelの対応
IntelもAMDと同じく異なるプロセスノードを組み合わせて価格を抑える方向に動いています。次世代Meteor LakeやArrow LakeはTSMCのN5およびN3プロセスを活用する予定です。
SAMSUNGの復活望む
多くのチップメーカーがTSMCに依存している状況は好ましくありません。競合他社が存在せず圧倒的な技術的優位があることは、これからも高い価格を正当化できる理由になります。
ライバルであるSAMSUNGも2024年までに独自の3nmノードを量産開始すると表明しましたが、今のところ歩留まりは20%未満であり多くの課題が残されています。
TSMC同等レベルの競合他社が現れない限りチップ価格の上昇は止まらないでしょう。企業努力を行っているIntelやAMDもいずれ商品の値段に転嫁しなければなりません。