Xboxエミュレータの完成度は60%【PC版】
解析が難しいXboxエミュレータですが、現在は細かなバグを気にしなければ60%近くのゲームソフトが動作するようになりました。
著作権フリーのBIOSも登場したことで難易度の高い実機吸い出しをしなくても遊ぶことができます。
Xboxソフトの入手とエミュ機能解説
Xboxはプロテクトがかかっていることから解析が難しく、さらにハードの情報もほとんど存在しないためエミュレータの開発に膨大な時間がかかります。またマイクロソフトからの圧力により個人である有志の方々は開発を終了して潰されてしまったことも少なくありません。
ゲーム機としては飛びぬけたスペックを保有しており当時からパソコンと比較されることが多く、Xbox上で動作するエミュレータも存在しています。ニンテンドー64以下ならだいたい動くみたいで興味があるならば試してみてもいいかもしれませんね。
Xboxエミュレータ | 完成度 | BIOS | プラグイン | 日本語 | RetroArch |
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xemu | 必要 | 不要 | X | X | |
Cxbx-Reloaded | 不要 | 不要 | X | X | |
XQEMU | 必要 | 不要 | X | X | |
Dxbx | 必要 | 不要 | X | X | |
Xeon | 必要 | 不要 | X | X | |
Xbox Games | エミュレータで遊ぶためのXboxソフトを入手 |
xemu 実機に忠実な再現性を目指す
公式スクリーンショット | |
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再現性 | |
コスト | フリーソフト(無料) |
対応OS | Windows/Linux/Mac |
推奨CPU | Intel Core i3 10100以上 (3.6GHz 4コア8スレッド) AMD Ryzen 5 3500以上 (3.6GHz 6コア6スレッド) |
推奨GPU | NVIDIA GeForce GTX 1050以上 ※2Dや軽い3DゲームならAPUでも可 |
メモリー | 8GB以上 |
機能性 | 将来対応予定 |
日本語 | 非対応 |
BIOS | 必要 ※フリーBIOS対応 詳しくは下記の使い方へ |
プラグイン | 不要 |
RetroArch | 非対応 |
エミュ公式 | GitHub: xemu |
解説ページ | xemuの使い方<初心者向け設定講座> |
xemuはXQEMUから派生したXboxエミュレータです。特徴としては動作が軽く実行時も安定性しており、実機に近い再現性を追求しているため現段階で最も完成しているエミュレータと言っても過言ではありません。
グラフィックやサウンドの改善、さらにフリーBIOSへの互換性も考慮するなど活発的に開発されておりまだまだ進歩します。RPCS3やCemuにあるような超高画質化はできませんがいずれ再現性の向上へと向かうことでしょう。
Xboxゲーム対応率は59%
公式が作成したxemu Compatibility Listによると確認されたソフトのうち59%がクリアまで問題なく遊ぶことができると報告されています。
再現性や機能面を充実するよりもまずは互換性を重視する方針で着々とゲーム動作数が増えているためお手持ちのソフトを試してみてはいかがでしょうか。
著作権フリーBIOSに対応
xemuを使用する上で最も嬉しい点は著作権フリーのBIOSに対応していることでしょう。※XQEMUは対応していません
Xbox本体からブートROMやBIOSを吸い出す事は難しく諦めかけていましたが、近年は有志の方々によって作成されたフリーBIOSに対応したことで遊びやすくなりました。
Cxbx-Reloaded 歴史が長く安定性が高い
再現性 | |
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コスト | フリーソフト(無料) |
対応OS | Windows |
推奨CPU | Intel Core i3 10100以上 (3.6GHz 4コア8スレッド) AMD Ryzen 5 3500以上 (3.6GHz 6コア6スレッド) |
推奨GPU | NVIDIA GeForce GTX 1050以上 ※2Dや軽い3DゲームならAPUでも可 |
メモリー | 8GB以上 |
機能性 | ステートセーブ/マルチプレイ |
日本語 | 非対応 |
BIOS | 不要 |
RetroArch | 非対応 |
エミュ公式 | Cxbx-Reloaded公式サイト |
2011年ごろに中断されていた初代Cxbxを受け継いで十数人のチームによって開発進行しているXboxエミュレータです。分かりやすく名称をCxbx-Reloadedに変更されました。
公式発表の動作リストによるとXboxのゲームソフトのうち12.7%がほぼ完ぺきな再現性を可能とし、40.9%が遊べるレベルにまで進化しています。2021年現在も頻繁に更新されていて更なる成長に注目です。待ち遠しくありますね。
お金の力は偉大なんです
最初はこちらのチームも解析に手を焼いて難しい雰囲気が漂っていましたが流れが変わったのは2017年です。たくさんの寄付金により支援を受けて今まで不可能だったことができるようになり開発速度が10倍に跳ね上がりました。(開発チームによると14年かかる作業が1年で完了したとのこと)
単純にゲームソフトを買いそろえるだけでも膨大なお金が必要になりますから、エミュレータの開発は時間とお金が非常にかかる趣味性の強いボランティア作業なんです。少数での開発は限界がありますからできる範囲での支援をしていきたいですね。
XQEMU グラフィック再現性が高く動作数もトップクラス
再現性 | |
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コスト | フリーソフト(無料) |
対応OS | Windows |
推奨CPU | Intel Core i3 10100以上 (3.6GHz 4コア8スレッド) AMD Ryzen 5 3500以上 (3.6GHz 6コア6スレッド) |
推奨GPU | NVIDIA GeForce GTX 1050以上 ※2Dや軽い3DゲームならAPUでも可 |
メモリー | 8GB以上 |
機能性 | ステートセーブ/マルチプレイ |
日本語 | 非対応 |
BIOS | 必要 |
RetroArch | 非対応 |
エミュ公式 | XQEMU公式サイト |
Cxbxの開発が中断されてからしばらくして登場したのがXQEMUです。やはりXboxの解析は難しく最初は緩やかなスピードで進行されていましたが2015年ごろから開発速度が加速し今ではトップクラスの起動率まで成長しました。
pcmaker氏作成の互換性リスト(2018年版)によると細かなバグを気にしなければ6割近くのゲームソフトが動作するようでブラックボックスと呼ばれるXboxをここまで解析したのは凄いですね。
XQEMUの特徴の一つとしてグラフィックの再現性にも力を入れており内部の解像度を上げることでいずれはPCSX2のような実機を超えた画質も可能となります。
GUIではないため扱いが難しい
Cxbx-Reloadedと肩を並べる完成度を持つXQEMUにもメリットデメリットがありゲームによって使い分けることが好ましいでしょう。難点としては、XQEMUはそのままでは起動できずPythonやランチャーのインストールが必要なためパソコンに詳しくない人には扱いが難しいと思われます。
Dxbxの機能解説
スクリーンショット | |
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性能 | |
コスト | フリーソフト |
対応OS | Windows |
機能 | サウンド/ゲームパッド |
エミュ公式 | Dxbx公式サイト |
DxbxはCxbxのソースを元に改良されたXboxエミュレータです。Xboxのシステムを解析することは困難なため対応ゲーム数はまだ完全ではありません。
またCxbxに入っているカーネルファイルを利用することで互換性が高くなります。必要スペックはそれほど高くないのでゲームソフトを持っている人は実験として遊んでみるのもいいかもしれません。
Xeonの機能解説
スクリーンショット | |
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性能 | |
コスト | フリーソフト |
対応OS | Windows |
機能 | サウンド/ゲームパッド |
エミュ公式 | Xeon 1.0.zip |
Xeonは切り札ゲームであったHALOが最初に動作したXboxエミュレータです。とはいっても遊べる段階まで来ておらず「動く」といったほうが正しいでしょう。
サウンドも対応はしていますが処理がかなり重く、現段階のPCでも完全に再現することは困難でしょう。またバージョン1.0のまま開発を終了しました。
Xbox本体のスペックと成り立ち
CPU | Intel Mobile Celeron 733MHz 3コア 180nm |
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GPU | NVIDIA NV2A 233MHz (GeForce3の改良版) |
メモリー | DDR SDRAM 64MB |
2002年2月22日に発売されたXbox(エックスボックス)は世界最大規模であるマイクロソフトが発売した家庭用ゲーム機です。マイクロソフトが製作したことから中身はほとんどパソコンと言えるような高スペックで構成されています。
しかし日本では任天堂やソニーが何十年も前にゲーム業界の基盤を作り終えておりマイクロソフトが新しく入り込む余地はありません。
多くの人はブランド買いするため性能が高い低いではなく「任天堂だから買う」、「ソニーだから買う」という流れが出来上がった中では当然、業績不振な結果だけが残りました。
日本と欧米のターゲット層の違いを読み間違えたことも決定的となり日本から撤退したのです。2001~2002年はインターネットもそれほど普及しておらずマイクロソフトの知名度も今ほど高くはなかったことも敗因の一つでしょう。