Zen2搭載のAthlon 4150GEによって活性化するエントリー市場
AMDがAthlonシリーズを作らなくなり2年が経過しました。近年はハイエンド製品ばかりでローエンドを欲していた人もいると思います。
次世代ゲーム機にAPUが大量に必要になったこと、Zen2 CPUの発表によってパソコンやサーバーでも需要が大きく伸びたこと、さまざまな要因が重なりAMDはローエンド帯を作る余裕がなくなっていました。
AthlonはついにZen2コアを搭載する
AMDはZen2コアを搭載するエントリーレベルのAthlon Gold PRO 4150GEをアジア太平洋市場でリリースしました。
Athlon Gold PRO 4150GEは4個のZen2 CPUを積んでおり、5個のVega GPUが付属しています。また35Wで動作し最大で3.7GHzに到達します。
AMDがエントリーレベルのデスクトップCPUを作らなくなりずいぶんと経過しました。2021年半ばに新しいAthlonシリーズの噂がありましたが発売間近だったようです。
大幅に進化したAthlon 4150GE
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仕様から見ていくとAthlon Gold PRO 4150GEはZen2アーキテクチャに基づいて4コア4スレッドを備えています。旧世代はZen+だったことを考えると大幅にスペックアップしました。
基本周波数は3.3GHzから最大3.7GHzまでブーストすることが可能になりTDP35Wにて動作します。これはGE版であるため標準のG版は45~65Wで動作すると思われます。
またGPUもAthlon3000シリーズから進化しており、7nmに改良された第3世代Vegaを搭載しています。CU数も3→5に増加したことでグラフィック面のパワーアップも期待できます。
世代間の仕様比較
ここでは同じPRO版で比較しますがこれらはOEMになっており、自作PC向けのAthlonは3000Gが最終です。2年以上前になります。
仕様表 | Athlon Gold PRO 4150GE |
Athlon Gold PRO 3150GE |
---|---|---|
プロセスルール | 7 nm | 12 nm |
CPUアーキテクチャ | Zen2 | Zen+ |
コア/スレッド数 | 4/4 | 4/4 |
L2キャッシュ | 2 MB | 2 MB |
L3キャッシュ | 4 MB | 4 MB |
最大CPUクロック | 3.7 GHz | 3.8 GHz |
メモリーサポート | DDR4-3200 | DDR4-2933 |
GPUアーキテクチャ | Vega 5 | Vega 3 |
最大GPUクロック | 1500 Mhz | 1100 MHz |
TDP | 35 W | 35 W |
発売日 | 2022 Q1? | 2020 Q2 |
自作向けに発売されるかは不明
今回リリースされたAMD Athlon Gold PRO 4150GEはOEM用パーツである可能性が高く、自作市場に在庫が回ってくるかどうかは今のところ不明です。
ですが以前のZen2 APU(Renoir)のようにアジア太平洋市場では自作向けAPUに特別な需要があるため発売が期待されていることも事実です。
現在Ali Expressで発売されているAthlon 4150GEは118.29ドルに設定されており、予想していたより高額なことが分かります。
CPU単体で購入するとどうしても高めの設定になりますが、遅かれ早かれこれよりはるかに安い価格でOEM PCに搭載されることでしょう。