PCSX2の使い方 インストール手順やBIOSの吸い出し方法など
2024年最強の座に君臨しているPPCSX2は驚くほど完成度が高く97.6%のゲームソフトがクリアまで動作することを確認しています。PCSX2動作しないリスト【日本語対応版】
実機をはるかに超えるグラフィック再現だけに留まらずチートやネットプレイにも対応しておりPCSX2一人勝ちな現状です。
しかしながらPCSX2を起動させるにはBIOSを吸い出すなど専門知識が必要なため、自信がない人はBIOS不要で遊べるPlay!をオススメします。
PCSX2のレビュー
評価 | 5/5 PS2ゲーム動作率 97.9% |
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コスト | フリーソフト(無料) |
機能性 | ステートセーブ/チート/ネットプレイ |
日本語 | 標準対応 |
BIOS | 必要 |
プラグイン | 必要 |
RetroArch | 対応 |
公式サイト | PCSX2 – The Playstation 2 emulator |
サイト内 リンク |
もともとは初代プレステの解析を行っていたチームで2002年からPS2エミュレータ「PCSX2」の開発へ移行しています。プレイステーション2は独特なハード構造になっており開発に膨大な時間が必要になると考えられていました。
研究が開始されてから数年が経過したある日、IntelがCore 2 Duoを発表したことにより処理が重いPS2エミュレータでもスペックでごり押しが可能になりPCSX2の開発も急速に進むのでした。今ではPS2実機以上のグラフィック再現も可能になっており驚くほど高画質で遊ぶことができます。
PS2ゲームソフト対応率はほぼ100%
20年近くコツコツと解析や開発を続けたPCSX2は最強のPs2エミュレータとして独走状態です。PCSX2公式の動作リストによると確認されたPS2ソフトのうち97.56%がゲームクリアまで問題なくプレイできると報告があります。全く動かないゲームはたったの0.38%しかありません。
PCSX2は日々進化しており10年前と今では必要なパソコンスペックも多少変化しました。大半のPS2ソフトはデュアルコアCPUで問題なく遊べますがPCSX2は4コア以上に最適化してあり高解像度で遊ぶなら4コア以上を推奨します。
エミュレータを起動する難易度は高め
PCSX2は最初から日本語化できるため設定項目に迷うことはありませんが、PS2実機からBIOSを吸い出したりゲームによって各種プラグインを変更するなど専門知識が必要になります。自信がない人はBIOS不要ですぐに遊べるPlay!をオススメします。
とはいえPCSX2は起動率&再現性ともにPS2エミュレータ最高クラスの性能を持っておりネットプレイにも対応しているエミュレータはこれしかないので徐々に慣れていきましょう。
推奨PCスペック
PCSX2はマルチコアに最適化されており最近のPCであれば気にせず遊ぶことができると思います。ただ遊ぶだけならば必要スペックはそこまで高くありません。
対応OS | Windows Linux Mac |
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最低CPU | Intel Celeron G1840 (2.8GHz 2コア2スレッド) AMD Athlon 200GE (3.2GHz 2コア4スレッド) |
推奨CPU | Intel Core i3 10100以上 (3.6GHz 4コア8スレッド) AMD Ryzen 3 3100以上 (3.6GHz 4コア8スレッド) |
最低GPU | NVIDIA GeForce GT 1030 ※APUなら内蔵でも基本サクサク ※Intel内蔵GPUでも2DゲームならOK |
推奨GPU | NVIDIA GeForce GTX 750 Ti以上 ※実機以上の超画質を目指すなら1050 Ti以上 |
メモリー | 4GB以上 |
さらに詳しい調査は【PCSX2】どれぐらいのスペックがあれば快適に遊べる?CPUとグラボの選び方ガイドをご覧ください。
PCSX2導入手順
PCSX2本体
1) 公式サイトからPCSX2をダウンロードしましょう。インストール版もしくはバイナリ版(インストールしたくない人向け)を選択してください。PCSX2 1.6.0 (The Playstation 2 emulator – Windows) ※外部リンク
2) PCSX2はC++言語で作られておりバイナリ版を選択した場合はVisual C++ 2015-2019が必要になります。
vc_redist.x64.exe (64bit/ファイル直リン)
vc_redist.x86.exe (32bit/ファイル直リン)
PCSX2本体とVisual C++ 2015-2019のインストールが終わったら続いてBIOSを吸い出します。
メモカを使ってBIOSを吸い出す
1) PCSX2公式サイトにあるToolsからBIOS Dumperをダウンロードしましょう。以前はSwapMagicを用いた方法が一般的でしたが今は入手困難になり別の方法を使用します。
2) PCSX2を動かすためにBIOSを吸い出すためにPS2本体に改造ツールをインストールします。最初にPS2メモリーカードと適当なDVD-Rを用意しましょう。お金がかからないBIOS吸い出し方法は以下のブログで詳しく説明されています。
PS2ゲームソフト入手
PCSX2で遊ぶためのPS2ゲームソフトを用意しましょう。手元に一つもない場合はAmazonなど通販サイトから購入することもできます。
PCSX2はDVDドライブからゲームソフトを直接読み込むことができるため、パソコンに付属しているDVDドライブにそのままPS2ソフトを挿入するだけで認識します。
もし読み込み速度を高速化してPCSX2を快適に遊びたいならばDVD Decrypterなどを使用してイメージを吸い出すこともできます。
PCSX2を起動する
全ての準備が整ったらいよいよPCSX2の起動へ移ります。本体をダウンロードしてお好みのフォルダに解凍もしくはインストールしたら「pcsx2.exe」を探しましょう。起動すると初回起動設定画面が表示されます。
言語選択
上記画面のようにPCSX2は自動的に日本語表示されるため通常はデフォルトのままで問題ありませんが日本語になっていない場合は言語を選択してください。「Language selector」の中間あたりにJapaneseがあります。
プラグイン設定方法
基本的にはPCSX2標準で搭載されているプラグインのままで構いません。以前はプラグイン開発者もいましたが更新ストップされているものが多く、また標準プラグインの性能も向上したため別途用意しなくても遊ぶことが可能になりました。
ゲームによっては古いプラグインも必要になるかもしれませんが、再現性や互換性に違和感を覚えてからPCSX2プラグインを探し始めても遅くはありません。
GSプラグイン解説
GSプラグイン項目でゲーム画質の設定を行うことができます。PCSX2標準プラグインのGSdxでは上記のような画面が表示されると思います。
レンダラーの設定ではOpenGLとDirect3Dの2つの描画方式があり、一般的なWindowsユーザーならDirect3D 11を選択するのが無難とされています。
OpenGLとDirect3Dの違い | |
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OpenGL | 様々なOSに対応しており主にビジネス用に使用される描画方法になります。そのため3Dモデリングなど正確に描画することが可能で静止画を得意としています。ゲームのようにリアルタイムで高速な描画が必要とされる場面では正確な計算ができないことも。 |
Direct3D PCSX2推奨 |
Windowsのゲームに特化した描画のひとつで正確性よりもリアルタイムで描画する高速性を重視しています。そのため荒い表現にはなりますがゲームに適しており安定しているため一般的にはこちらを使用します。GeForceに最適化。 |
PCSX2で遊ぶときはDirect3D 11を基本設定として進めていきます。次に「Hardware」と「Software」の違いについて。
Hardwareとは
Hardwareはグラフィックボードに搭載されているアクセラレーションを使用してCPUの負荷を減らす方法でPCSX2を高速処理することができます。
グラフィックボードでは計算ミスをすることもありゲームによっては文字が読みにくいなど描画が正確ではない場面がありますが、基本的にはこちらのHardwareを選択しましょう。解像度を4K相当に高めることで超画質を実現できます。
Softwareとは
Softwareはグラフィックボードに丸投げせずにCPUで計算を行う方式で処理は重くなりますがPS2実機に近い正確な描画を望めます。
解像度を高めることができないためPCSX2においては非推奨とされています。互換性が非常に高いのでHardwareではどうしてもバグが発生して進めない時に選択しましょう。
Renderer |
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Direct3D 11 (Hardware) *PCSX2推奨 OpenGL (Hardware) Direct3D 11 (Software) OpenGL (Software) None (Core Benchmark) |
余談ですがブラウザでもアクセラレーションが利用されており、APUなど内蔵GPUを使用していると動画サイトでブラックアウトしてしまったり映像がカクつくなど不具合が発生することもあります。その場合はブラウザの設定でアクセラレーションをOFFにすると安定するので試してみましょう。
解像度についての説明
「Direct3D 11 Hardware」を使用する場合はPCSX2内部の解像度を変更して4K画質で遊ぶこともできます。ポリゴンの粗が目立たなくなりクッキリと描画されるようになります。
NativeはPS2の基本解像度である360pです。2x Nativeにするだけでも違いが分かりますし、それなりのグラフィックボードを搭載しているなら4x Native(1440p 2K)が高画質化と処理の重さのバランスでPCSX2においては無難だと思います。
解像度設定 |
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Native (PS2) 2x Native (~720p) 3x Native (~1080p) *PCSX2推奨 4x Native (~1440p 2K) 5x Native (~1620p 3K) 6x Native (~2160p 4K) *4K画質 8x Native (~2880p 5K) Custom (Not Recommended) |
他の設定項目も画質に影響しますがそこまで大きな差はないので取りあえずはPCSX2標準設定のままで構いません。
PADプラグインについて
DualShock 2を利用するのがもちろん最適です。PS2コントローラー/USB変換を使うことでPCに接続して遊ぶことができますがメーカーによって作りの出来が全く違いますので上記リンク先のレビューコメントを参考にしてください。
またPCSX2はDirectInputやXInputに対応しているため市販されているPC用ゲームパッドであれば問題なく動作します。ここは特に説明することもないので各自適切に設定してください。
SPU2プラグイン解説
SPUはサウンド設定のことです。基本的にはPCSX2標準設定のままで快適に遊べますが環境によっては音が遅れて聞こえたりプチノイズが発生することがあるので調整しましょう。
Mixing Settings
PCSX2標準設定は4-Catmul-Rom (PS2-like-slow)になります。最もPS2音源に近い再現をしますが処理が重くなるためサウンドが遅れたりするならば1-Linerを選択して試してみてください。
サウンド設定 | |
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0-Nearest (Fastest/bad quality) | 最も高速処理しますがサウンド品質は最悪です。 |
1-Liner (Simple/okay sound) | 使用に耐えうるサウンド品質を維持して高速化。 |
2-Cubic (Artficial highs) | 無難な設定。 |
3-Hermite (Better highs) | 無難な設定。比較的高品質。 |
4-Catmul-Rom (PS2-like/slow) | 最高品質だけど処理が重め。 |
Output Settings
PCSX2標準設定は1-XAudio 2 (Recommended)になります。設定の中ではもっとも正確に出力できるため推奨されていますが2-DirectSoundでも特に問題ないかと思われます。
サウンド出力設定 | |
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0-No Sound (Emulate SPU2 Only) | サウンドなし。快速。 |
1-XAudio 2 (Recommended) | PCSX2推奨設定。高品質。 |
2-DirectSound (Nice) | XAudioが上手く動作しないときは試してみてください。 |
3-WaveOut (Laggy) | 上記二つがどうしても駄目な場合に試します。処理重め。 |
4-PortAudio (Cross-platform) | – |
BIOSフォルダ指定
先ほど吸い出したBIOSの場所を指定します。PCSX2のBIOSフォルダに入れてもいいですし、他のエミュレータと共有するなら任意の場所に設定しても構いません。
以上で初期設定は終了です。完了するとPCSX2が立ち上がります。