Ryzen7000シリーズ"Zen4"の今後の予定
Zen4については1月4日から始まるCES2022でさわり程度の発表はあると思いますが、さらに詳しい情報は5月24日から開催されるCOMPUTEX2022にてお披露目されるそうです。
5nm Zen4はCOMPUTEXで発表
まず最初に現行機であるRyzen 5000シリーズはZen3が使用されており、2週間以内に発表されるRyzen 6000シリーズでは改良を加えた"Zen3+ 3D V-Cache"が搭載されます。
そして2022年Q4に発売を予定しているRyzen 7000シリーズでは5nmプロセスを採用した"Zen4″が搭載されます。X670チップセットを搭載したマザーボードもその前に発表されるでしょう。
Zen4からTDP170Wに拡張
Zen4はアーキテクチャを一新することでZen3に対して最大25%のIPCゲインを提供し、5GHzのクロック速度を達成すると注目されています。
また3D V-Cacheはスタックできるチップレットシステムを備えているためZen4にも設計が引き継がれることも期待されています。
TDPに関してはAM5 CPUはまず最初に水冷クーラーが推奨される170W級の超パワーCPUから販売していく予定です。
AM5は高い電圧やCPUオーバークロックをサポートし、よりアグレッシブになります。その後、高性能な空冷クーラーで運用できる120W級のCPUが販売されます。
AM5マザーボード側の変化
リークされたAM5の詳細を見ると異なるI/Oダイが2つ使用されていますが、AM5マザーボード特有なのかRyzen CPU固有かは不明です。
Zen4を積んだRyzen CPUはチップレットデザインを特徴として、Zen3+を積んだRyzen APUはモノリシックデザインになる可能性が高いとみています。
Zen4からソケットが大幅に変更
Zen4は今まで使用してきたSocketタイプからLGAタイプに切り替わります。これによりCPU裏側についていた無数の剣山ピンはマザーボード側に収容されるようになります。
CPU側は完全な平になるため誤ってピンを曲げてしまったり、CPUクーラーを外すときにCPUも道連れにしてしまう通称スッポン現象が起きなくなります。
また、ヒートスプレッダの構造も大きく変わり奇妙な形状をしています。これは密度が非常に高くなるZen4を複数のチップレット間で熱負荷のバランスを取るためなのか、まったく別の目的かもしれません。
AM5マザーボードは長く続きそう
プラットフォームに関してはAM5マザーボードは長く続くことが予想されるLGA1718を備えています。DDR5-5200メモリやNVMe 4.0およびUSB 3.2などもサポートし、将来的にUSB 4.0も対応する予定です。
AM5最初はX670チップセットとB650チップセットの2つが用意され、X670はPCIe Gen 5.0とDDR5メモリの両方をサポートすることが期待されています。
ただ一つの懸念はX670は非常に大きなチップセットになるためMini-ITXのような小型ボードに搭載するのが難しいと考えられます。そのためITXユーザーはB650を選択したほうが良さそうです。
CPUとAPUどちらもGPU機能内蔵
今までのRyzen CPUは統合グラフィックス機能がありませんでしたが、Ryzen7000シリーズのCPUからはRDNA2 GPU機能が標準搭載されます。
ここで一つ疑問に思うことはGPU性能を売りにしていたAPUシリーズはどうなるのでしょうか?おそらくCPU/APUで機能を差別化すると考えています。(APUはモノリシックを続けるかどうかも未定)
CPU性能アップ、GPU標準搭載、DDR5対応、ソケット変更など大幅にシステムが変わるZen4がどう進化していくか楽しみです。