Ryzen 7 6800U"Rembrandt"のゲーミング性能は100%向上[RDNA2]
CES2022にてRyzen APU6000シリーズにあたる"Rembrandt"が正式に発表されました。
これはノートPC向けになりますがコアを改良された後にデスクトップPC向けとして販売されるため、デスクトップ版APUを欲している人に向けた情報として見ても問題はないです。
参考までに今回のRyzen APU 6000搭載ノートPCは2022年2月から出荷開始されます。
5GHzに到達したZen3+コア、そしてRDNA2 GPU搭載
AMD公式発表によるとまず最初にRyzen APU 6000シリーズをラップトップ/ノートPCの両方にリリースする予定です。そしてこれにはZen3+CPUとRDNA2GPUが搭載されます。
旧世代であるRyzen APU 5000シリーズ"Cezanne"と比較すると大幅に進化しており、パフォーマンス/電力効率/グラフィック能力すべてが向上しました。
HシリーズはハイエンドをターゲットとしておりUシリーズはメインストリーム市場を想定しています。また、プラットフォームも新しく構築されて革新的なテクノロジーを提供します。
- より高速なコンピューティングに対応するDDR5メモリ
- 最新の周辺機器に対応するPCIe4.0およびUSB4サポート
- バックグラウンドノイズをフィルタリングするためのAIノイズキャンセラー
- 強力なネットワーク環境を構築できるWi-Fi 6E
CPUとGPUの変更点
今日のキーワード:5GHz Zen3+ 6nm RDNA2 | |
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最上位モデルであるRyzen 9 6980HXおよび6900HXが発表されてこれらはノートPCの主力製品になる予定です。
CPUはZen3の改良版(Zen3+)になりますが6nmプロセスに細分化されて更なる高いクロックである5GHzが実現しました。これによりマルチ性能が28%向上、シングル性能が11%向上しているそうです。
そして最大の変更点はGPUにRDNA2アーキテクチャが採用されたことです。12個のコンピューティングユニットおよび768個のRadeon 680Mを搭載しており最大2GHzまで動作します。
何世代も使いまわしてきたVegaシリーズから大幅にグラフィックパフォーマンスが向上しました。さらにDDR5メモリに対応したことで帯域幅が高速化しておりRDNA2の恩恵が大きくなります。
主力商品のスペック表
ここでは主力商品のみ記載しますがすべてのラインナップはAMD公式発表をご覧ください。
仕様表 | Ryzen 9 6980HX |
Ryzen 7 6800H |
Ryzen 5 6600H |
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CPUアーキテクチャ | Zen3+ Rembrandt |
Zen3+ Rembrandt |
Zen3+ Rembrandt |
CPU最大クロック | 5.0GHz | 4.7GHz | 4.5GHz |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 6/12 |
L3キャッシュ | 16MB | 16MB | 16MB |
プロセスルール | 6nm | 6nm | 6nm |
GPUアーキテクチャ | RDNA2 | RDNA2 | RDNA2 |
GPU最大クロック | 2,400MHz | 2,200MHz | 1,900MHz |
コンピューティングユニット | 12CUs | 12CUs | 6CUs |
TDP | 45W+ | 45W | 45W |
ハイエンド向けはすべてZen3+コアとRDNA2コアが搭載されますが、メインストリーム帯では強化されたRyzen5000シリーズが同様に製造されます。
Ryzen 7 5825U、Ryzen5 5625U、Ryzen 3 5425Uはそれぞれ旧世代であるZen3コアとVegaコアが使用されているため注意が必要です。
普段の用途でグラフィック性能を必要としないなら旧世代でも問題ないと思います。
GPU性能を旧世代と比較する
最も変更点の大きいGPU性能を見ていきましょう。
アーキテクチャがVegaからRDNA2に変更されたことはもちろん、CU数が12個、ストリームプロセッサ数が768個に増加されたことも性能向上に大きく繋がっています。
動画編集や3Dレンダリング性能も大幅向上 | |
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旧世代と比較して動画エンコード速度は1.7倍、3Dレンダリング性能は2.3倍、総合ゲーム性能は2倍に向上しておりRDNA2アーキテクチャの飛びぬけたグラフィック性能を見ることができます。
また、消費電力が大幅に下がったことも特徴の一つです。動画再生時は-30%、WEBブラウジングは-15%、ネットフリックスのストリーミング再生は-40%まで減少しており省エネ性能を必要とするノートPCにとって購入理由に繋がります。
ゲーミング性能も大幅向上 | |
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続いてゲーミング性能のみ抽出して見てみましょう。平均的に見ると旧世代から2倍近く向上していますがゲームを一つずつ見ていくと得意不得意が現れます。
それでもライバルのINTELやNVIDIAに対して大きくリードしていることからAPUの強みが見て分かります。
AAAゲームも遊べるノートパソコンがここにある | |
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公式発表によるとAAAゲームもノートPCで満足して遊べるレベルになるそうです。
統合グラフィックでFarcry6やGodfallが60FPSを維持して遊べることは驚きですが、Call of Duty: Vanguardに至っては114FPSを表示しています。
想像をはるかに越えるとんでもないゲーミング性能を保有しており、ノートPC版の後に発表されるデスクトップ版も期待できます。
マイニングによってグラフィックボードが高騰している現状、APUはノートPCおよびデスクトップPCの救世主になるのかもしれません。
コメントをピックアップ
海外の反応 | |
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キタコレ! AMDはINTELをゴミ箱に入れるにはZen4さえ必要としません。30%のCPU向上と100%のGPU向上さえあればいいのです。 |
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↑AMDは真実でない可能性があります。 彼らは平均的なパフォーマンスではなく『最大で100%GPUが向上する』と示すだけです。また、使用されているメモリについても言及されていません。一方がDDR4を使用してもう一方がDDR5である可能性もあります。 |
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↑↑AlderLakeのマルチコアブーストのほうが30%よりはるかに高いことをご存じですか? | |
マルチ性能がたった28%の向上?シングル11%向上?話になりませんね。 | |
↑400MHzのブーストクロックだけでパフォーマンスが30%向上したと考えているなら頭をチェックしてもらうことを勧めます。 | |
↑シングル+11%はおそらく高いクロック速度から来ているのだと思います。 マルチコアの改善はより高いクロック速度からもたらされる可能性があります。というのもラップトップはすべてのコア作動時は制限がかかり高クロックにならないからです。 とにかく私はAMDスライドを信用していません。公平な個人レビュアーによってテストされるとパフォーマンス向上値はおそらく悪化するでしょう。 |
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ようやくPCIe Gen4ですか…ひどく時代遅れです。 | |
↑AMDのAPUは現在PCIe3.0を使用しています。 そしてAPU用でPCIe4.0を採用したのはこれが初めてです。ラップトップにおいてはIntelのほうが進んでいますね。 |
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↑↑7GB/s転送速度を必要とするのはストレージぐらいなもんだけどね。 | |
↑ええと、AlderLakeのPCIe 5.0では何ができるんですか? | |
↑ゲームのロード時間や起動時間はストレージ速度の影響がほぼないため現状メリットがありません。 またdGPUがPCIe5.0を使用していないためGPU→CPUのリンクは引き続きPCIe4.0が使われています。 |
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ROPとTMUはいくつですか? | |
わお!2022年にもなって『1080p』でゲーミング性能を発表するとはなんて熱狂的なんでしょう 🙂 | |
ラップトップにRDNA2を搭載できるとは待ち遠しい。 | |
上記のR23テストでは5800Uは15W、6800Uは28Wに制限されています。 | |
↑彼らが数字を誤魔化そうとしたことは驚きではありません。 6nmではほとんどアップグレードできないためクロックを20%増やし、CU数を50%増やし、L2キャッシュを2倍にする必要がありました。 実際にノードジャンプなしで同じ電力特性を維持しながらそれを実行できる方法はありません。 |
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これらの高い数値はDDR5メモリを使用した場合のみ当てはまるのでしょう。高コストDDR5の値下げを願います。 |